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99年クロアチアの赤茶けた屋根 (3)

スラボニアと呼ばれる地域を抜け、だいぶ時間は経っていた。暗くなっているが光の見える方へと近づく。いよいよザグレブという強そうな名前の都市に到着が迫っている。時間は夕方5時半を回っている。初めての町、宿が取れる保障などない。ただひたすら寒い町。
バスターミナルの周りには大したものがないようだった。困ったときは、いつも決めている。女性に声をかける。しかも、今回は金髪の女性が目の前にいた。急いで走っていく。
「すみません。ザグレブの駅はどこにありますか?」
「◇●♂〇△♀」
女性は指をさして何かを話してくれているようだった。わからない。
「ついてきて」
それを察したのか、せかされるようにして、トラムに載せられた。
無言の2人。
ザグレブ駅はすぐ近くだった。彼女と一緒に降りてみると、
「あなた、泊まるところあるの?」
「まだないけど。YHに泊まる予定。」
「どこかわかるの?」
YHの地図を見せると、簡単な説明をしてくれ、握手をかわして別れた。
彼女はさっきと同じ進行方向のトラムに再度乗りなおして去っていった。

YHは18DM。結構する。ドミに決定。
部屋には日本人がいた。かなり驚いていたようだった。というのも、オフ・シーズンのヨーロッパでしかも、クロアチアに日本人が旅しているということ自体が自分自身がいることを差し引いても驚くに足ることだったようだ。
そして、ここで、ユーゴ、ボスニアといった国々の宿泊や両替情報を得ることとなった。
他にも、実はスラボニアは危険地域だったこともここで判明した。
はじめてホットメールをつくることにもなった。

ザグレブの町はベオグラードよりも洗練されていた。丘の上に向かう場所には石畳もあり、町を見渡す景色は茶褐色に彩られていた。市場も華やかでよりいっそうヨーロッパにきたという印象を受けた。

そして、次の行き先は決まった。
この日本人が列車のチケットをくれたのだ。
「この前きた日本人にもらったんだ。でも、俺は、これから帰国でローマに向かうから、もしよかったらあげるよ。」
ハンガリーのブダペスト行きのチケット。ヨーロッパでは期限以内に乗れば日付指定などないため、こういった列車のチケットは他人でも使えるということだった。ただし、これは、社会人の方からだったため、26歳以下の割引も関係ないため、名前の記入もない。
リコンファームで帰国の日付を少し延ばし、ハンガリーに行くことになった。
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by mir2004jp | 2004-07-02 17:37 | Europe
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